ラオス 
パクセ

 チャンパサック県は南西ラオスに位置し、タイとカンボジアに国境を接している。県都はメコン川とセドン川の合流地点に位置しているパクセ。チャンパサックはカンボジアにアンコールワットを建設したクメール民族の発祥の地と言われている。またチャンパサックはまだ原始的な自然が残っており、エコ・ツーリズムで注目されつつある。

パクセの観光名所:

 ワット・プー(Wat Phu):ワットプーとは山のお寺と言う意味で、小高い丘を利用して建立された広大なお寺。ヒンドゥー寺院の廃墟。300mほど続く参道を経て、北殿と南殿の間を西に進むと本殿に続く石段がある。ユネスコの世界遺産(文化遺産)に指定されている。
 少なくとも、6世紀頃にはチャンパサック県の地域に文明があったと見られている。後の10世紀頃から、この地域へのクメール人の進出が本格化し始めた。タイのピマーイなどに見られる遺跡もクメール人の王朝が隆盛を極め、北部に盛んに進出していたこの時代のものであると言うことが言われいる。同様に、この遺産の中心であるワット・プーもこの時代以降に作られたと見られている。これらの時代に作られた遺跡は、主に当時のクメール人の宗教であったヒンドゥー教をコンセプトにして作られていた。
 しかし13世紀頃からタイ・ラーオ系民族がこの地に南下し始めた。後に彼らがこの地を占拠する頃には、上座部仏教が浸透していたため、ほとんどの遺跡が上座部仏教寺院としての扱いを受けるに至った。特にワット・プーは元々は城であったが、ラーオ族によって寺院として位置づけられた。
 
 コン島(Don Khone)フランス統治時代、物資の運搬が地理的に困難をきたした事から、フランス政府は14kmに渡る鉄道レールを敷設した。第二次世界大戦下で鉄道は廃止された。これがラオス唯一の鉄道史で、それ以降ラオスに鉄道はない。現在では、コン島にわずかにレールの残骸や当時使われた蒸気機関車が残るのみ。またこのコン島にはソンパミット滝(Somphamit)があり、ここには川イルカ(イラワジイルカ)が生息し、乾季には水面に姿を現すこともある。
 なお、2007年には、ビエンチャン=ノンカイ間にあるタイ=ラオス友好橋からラオスへ鉄道が乗り入れも予定になっている。
 
 ボロベン高原(Bolaven Plateau):サラワン県とチャンパサック県にまたがるボロベン高原ではコーヒー、カルダモン、バナナなどが生産されている。ボロベン高原の町パクソンの西数キロには、高低差120mのパーン滝(Taat Phan)がある。またボロベン高原には少数民族の村々が点在し、それぞれの言語や風習に従って生活している。
 

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